平安時代の風習から名づけられた 「オトシブミ」、想いをはせてください…。
2013年5月24日
木々の葉を
折りて丸めてつくりしは
わが子を託すゆりかごの
ひと葉に一卵産み付けて
一時かかりて包み込み
土に落としてただ祈る
オトシブミと申します
いにしえの
都の民の慣わしは
愛しき人の足元に
したため綴りし巻物を
そっと落とすは落とし文
伝ふるすべになぞらえて
オトシブミと申します
見上げれば
枝に揺らぎし巻物を
たれがこしらへ落とさぬと
想へばこれも愛しさか
落とさぬ虫もそれぞれと
くらべてみればいとをかし
オトシブミと申します