安曇野の歴史

安曇野の歴史遺産

安曇野の周辺には、江戸時代の古民家や近代建築、また、数十年前までは現役だった木造校舎など、かつての記憶をとどめる建築物が数多くあり、ノスタルジーあふれるぬくもりを今に伝えています。

国営アルプスあづみの公園「テーマ展示館」には、そうしたエッセンスが随所にちりばめられています。外観をとってみると、“どくとるマンボウ”でおなじみの作家・北杜夫氏が青春時代を過ごした旧松本高等学校の校舎を模したもので、「あづみの学校」をイメージしています。クラフト体験が楽しめる芸術教室の廊下は大正、昭和初期に建てられた木造校舎、社会科教室は安曇野に残る古民家をそれぞれ本格的に再現した昔懐かしい空間になっています。

「旧松本高等学校校舎」
大正9年に建てられ、現在は「あがたの森文化会館」(松本市)として活用され、見学もできます。

社会科教室。
居間を中心とする古民家の間取りを再現しています。

安曇野を代表する古民家「曽根原家住宅」(安曇野市穂高)
慶安年間前後(1650年頃)に築造されたといわれ、国の重要文化財に指定されています。

古の匠の技が光る石積み用水路

安曇野の肥沃な大地は稲作に最適な土地といえます。ここでつくられた安曇野産米は、広く関東や関西、九州まで流通している安曇野特産のひとつです。広大な安曇野の水田をうるおす堰(安曇野での用水路の呼称)は、中世からつくられはじめ、測量技術が発達した江戸期、地域発展の原動力となった堰が現在の用水路の原型となっています。国営アルプスあづみの公園では往時の堰をイメージした水路が整備されています。

公園内に整備された往時の堰をイメージした水路

現役で地域に水を届ける用水路。